@article{oai:dcu.repo.nii.ac.jp:00000067, author = {鈴木, 文治}, issue = {6}, journal = {田園調布学園大学紀要}, month = {}, note = {特別支援教育の導入によって、従来の特殊教育の枠の中では達成することのできなかった成果が期待されている。特別支援教育の基本的理念である「児童生徒の一人ひとりの教育的ニーズへの対応」は、LD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)また高機能自閉症など、従来から支援を必要としていた発達障害のある児童生徒への教育的関心を新たに起こし、またその周辺の児童生徒を巻き込んだ指導のあり方、学校教育のシステムのあり方も再構築することが求められるようになった。学校における児童・生徒観や教育観・指導観、また学校組織全体の見直しに対する提言として、特別支援教育は大きな役割を果たしている。 一方で、教育行政にも大きな変革が求められている。例えば、障害や障害以外の特別な教育的ニーズのある児童生徒の就学先を決定する就学指導のあり方も、大きく変わってきている。障害の種類と程度によって、就学先が割り振られた行政措置としての就学指導から、障害当事者や保護者の意向を尊重し、様々な条件がクリアされれば地域の学校への就学が可能となる制度は、就学指導から就学相談へと内容もかわりつつある。 このような特別支援教育の導入は、従来の特殊教育のあり方を一変するインパクトの強いものあり、日本の教育史上画期的なものである。 だが、私は特別支援教育の導入による決定的な転換は、従来の特殊教育と通常の教育との間にあった乗り越えがたい壁の撤廃であると思っている。互いの領域が大きく連携・協働しあうこともなく、それぞれがそれぞれの方向をみて進んでいた教育が、お互いがきわめて密接に関わり合い、支援しあう時代に入ったことこそ、特別支援教育の導入の最大の成果であると思う。 私はかつて校長として特別支援学校の創設に関わり、インクルージョンを目指す学校として様々な取組を行ってきたが、その中で「特別支援学校に在籍する児童生徒を地域の学校に戻すインクルージョン研究」に携わった経験がある。地域の学校と特別支援学校の壁をできるだけ低くして、児童生徒の教育的ニーズを鑑みた就学先の柔軟な対応の試行であるが、ここでは「地域の学校に移行するインクルージョン研究」の実践の報告と、またそこから生じた課題について検討する。 なお、2007年より法律上は従来の盲学校、聾学校、養護学校を「特別支援学校」という名称で呼ぶことになっているが、各都道府県の裁量によりこの名称は固定されたものではなく、神奈川県でも養護学校の名称を用いているため、全体を指す名称としては「特別支援学校」を、個別の学校では現在使用されている名称を用いることにする。}, pages = {31--48}, title = {特別支援学校におけるインクルージョン研究 : 特別支援学校在籍児童生徒を地域の学校へ移行する試み}, year = {2011} }