@article{oai:dcu.repo.nii.ac.jp:00000558, author = {染谷, 裕子}, issue = {10}, journal = {田園調布学園大学紀要, Bulletin of Den-en Chofu University}, month = {Mar}, note = {室町から江戸初期に多く作られたお伽草子絵巻には本文とは別に絵の傍らに画中詞(登場人物のセリフや場面の説明など)が付されることがあるが,その一つ『福富草紙絵巻』(春浦院本)は,いわゆる物語本文がなく,絵と画中詞(セリフ)だけで物語が構成される希有な作品である。本稿ではこの絵巻を一種の「談話資料」とみなして,現代語における談話資料の研究方法の適用を試み,その談話的特徴を探るものである。『福富草紙絵巻』の画中詞は,上下二巻にバランスよく配置されており,すべての画中詞が物語と関わっている。各巻の中心人物の長いセリフによって重要な心情が語られ,その他大勢の多くのセリフによって物語が進行する。特に,話し手の感情や意志を表すセリフによって場面の状況がよりわかりやすく描写され,情報提供を求めるセリフによって物語の経緯が明らかになり,命令や勧誘等を表すセリフによって登場人物の動きが表現される。以上のことから,『福富草紙絵巻』の画中詞は,描かれた絵になぐさみにセリフを付したものでは決してなく,十分に絵の表現と物語の展開を理解した上で,ことばを選び抜き効果的に付したものであると考える。}, pages = {179--198}, title = {<研究論文>談話資料の視点から見た画中詞:『福富草紙絵巻』を対象に談話分析の研究方法を試みる}, year = {2016} }