@article{oai:dcu.repo.nii.ac.jp:00000031, author = {金井, 守}, issue = {3}, journal = {田園調布学園大学紀要, Bulletin of Den-En Chofu University}, month = {}, note = {2008年7月、ドイツでは改正介護保険法が施行され、1995年に公的介護保険が施行されて以来初めて保険料が値上げされた。一方、制度創設以来初めて(13年ぶり)在宅介護給付その他が増額され手厚くなった。他に、認知症の人への特別給付が増額されるなどの認知症対策が強化された。さらに、介護の質の保証のため、すべての介護保険関係事業所への立ち入り検査が全面的に施行された。 これらの改革の背景には、ドイツにおける高齢化の進展、認知症高齢者の増加、施設入所の増加、介護の質の問題、介護保険財政の収支バランスの変化などがあり、改革が促されたと考えられる。また、この改革は、今後3年ごとに見直すことが予定されており、給付額も2012年までに段階的に増額されることが決まっている。これらの動向と、2008年8月にドイツを訪問した折にインタビューを通して得た情報や文献などを併せて考えると、今回の改革は、今後のより大きな改革に向けた第一歩であるという印象を持った。 今回の改革の意味するものは、一つは、現金給付による家族介護の適切な評価と在宅介護の支援というドイツ介護保険の基本的考え方を踏襲しつつ、その支援体制にボランティア等の住民を加え、地域ぐるみの開かれた取り組みを始めたことである。 二つは、老人介護士等の専門職による在宅給付(介護サービスの提供)を充実し、要介護状態の悪化の軽減、認知症ケアの取り組みを推進しようとすることである。この専門職による認知症ケアの推進の背景として、福祉現場における革新的な認知症ケア実践の胎動があると考えられる。 ドイツ現地調査における現場職員との接触からも、地域に密着し、認知症その人の立場にたった新しい介護のあり方が生まれ育っているとの印象を得た。 今回の改革は、「人間を中心とする開かれた介護」のあり方へ向け一歩を踏み出した改革であると言える。 この研究は、上記「開かれた取組み」及び「人間を中心とする新しい介護のあり方」の2点をめぐって、ドイツ介護保険制度改革の意味を探ろうとするものである。}, pages = {37--50}, title = {2008年ドイツ介護保険制度改革の意味するもの--人間を中心とする開かれた介護を求めて}, year = {2008} }